子宮内膜症とサプリメント 〜1〜

子宮内膜症とサプリメント 〜1〜

はじめまして。医師の北脇です。
今回初めてブログを書かせていただきます。

長年の大学勤務を卒業して、昨年より当院に勤務しています。

専門は生殖内分泌分野で、女性のホルモンに関することです。
その中でも特に子宮内膜症の基礎研究と治療法の開発に力を入れてきました。

子宮内膜症は、子宮の内張りである子宮内膜に似た組織が子宮外に生着する疾患で、生殖期女性の10%が何らのかたちで罹患しているといわれています。症状は月経痛をはじめとする骨盤痛、卵巣チョコレート嚢胞、そして不妊です。

罹患者の半数が不妊を訴えるといわれています。ホルモン療法、手術療法、不妊治療は大変有力な治療法です。
しかし、原因不明であり、完治させる治療法が見出されていないのが現状です。

このような中で、緩やかに作用するサプリメントも見直されつつあります。
私は日本亜鉛栄養治療研究会の役員も務めており、またイソフラボン系サプリメントについては大学勤務時代から医師主導臨床治験を進めています。

そこで、このブログでは子宮内膜症に関連するサプリメントをご紹介していきます。

まずは亜鉛です。

亜鉛はカキ、カニ、エビ、肉、豆類、乳製品などに多く含まれています。亜鉛は細胞内シグナル伝達分子および抗炎症酵素の働きを助けることから、亜鉛欠乏は多くの病気で免疫状態に影響を与え、炎症性サイトカインの生成を増加させ、そして酸化ストレスを高めます。

子宮内膜症と血中亜鉛濃度の関連は示されていませんが、子宮内膜症のない女性の亜鉛摂取は子宮内膜症の女性と比較して多いことが知られています。ただし、残念ながら現時点では、子宮内膜症に対して亜鉛の治療効果に関するデータはありません。

いずれにせよ、活性酸素は万病の元であることは事実です。
活性酸素を多く出さないようにすることと、これを消去する作用である抗酸化を促すことが、健康管理のうえで重要なことははっきりしています。食事あるいはサプリメントによって亜鉛摂取を心がけていただくことをお勧めします。

(続く)