男女の産み分けについて

男女の産み分けについて

医師の田口早桐です。

3月3日。お雛様の日でした。
ふと、産み分けについて考えました。

第2子、第3子で男女産み分けを希望する方は多くおられます。
今の時代、子供を持つとしてもほとんどの方が2~3人までだと思うので、第1子とは違う性別の子供を育ててみたくなるのだと思います。

人工授精や体外受精に、遠心分離した精子を使用する、産み分けパーコール法は、成功率があまり高くないので、とくにお勧めしているわけではありませんが、ニーズは非常に高いのです。
https://www.oakclinic-group.com/infertility/preselection.html

産み分けについて、唯一確実な方法は、受精卵の染色体を調べること。
染色体情報に性別は含まれていますので、限りなく100%正確です。

日本産科婦人科学会の立場としては、産み分けパーコールに関しては、2006年、従来の重篤な伴性劣性遺伝性疾患の回避に限って認めるという会告を撤廃し、事実上男女産み分け目的の使用を認めるとの会告を出しています。
http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=73/8/073080915.pdf#page=27

ただし、胚の染色体検査に関しては、当院は日本産婦人科学会PGTA臨床研究参加医療機関として行うことがあるものの、性別は性染色体異常がない限りお伝えしないことになっています。

希望の強い方にとっては、賛否両論あっても、技術の進歩が待ち望まれますね。
以前、畜産分野での期待できる産み分け法についての記事を紹介しましたが、まだまだ応用には至らないと思います。
https://www.oakclinic-group.com/blog/2019/08/29/taguchi01-3/

専門家である以上、産み分けについても、科学的エビデンスに基づいた医療を提供していきたいと思います。
が、ただ、私個人の思いとしては、女の子らしい男の子もいるし、男の子っぽい女の子もいるし、お雛様も、5月の節句も、一緒に仲良くお祝いするようになって欲しいなと、思います。