医局カンファレンスより。
一般精液検査を受けられた方からの「精子の状態を改善する薬はあるのか」という質問に対しては、効果があると認められている薬剤はないというしかありません。特に、重症の造精子障害ではその傾向が強いです。
当院では、乏精子症や精子無力症の患者さんに漢方薬を飲んでいただくことがあります。精子の中等度異常の方については、精子の状態の改善を認めています。これは、体調をコントロールしたり、陰萎の状態を改善させることにより、精子の状態が良くなるため思われます。
そのほか、亜鉛、マカ、牡蛎、などいろいろなサプリメントを推薦するサイトありますが、ひとえに、決定打がないということが、多くの種類が推奨される要因なのかなと思います。それらのものについては、当然、内服して悪いものではなく、実際に精子が改善した例もあるので、服用はしていただいてよいかと思います。
以前に、6種類ぐらいのサプリメントを服用されていた方がおり、胃の調子が悪くなったことがありました。当院では、漢方薬1種類、サプリメントを2種類くらいまでにとどめておくように説明しています。最近は、精子に良いという成分をまとめた錠剤などもあるようなので、いろいろな種類を飲むのであれば、そのようなものを選択さてはいかがかなと思います。
繰り返しますが、サプリメントなどは、無駄といっているわけではありません。精子DNA断片化指数(DNA fragmentation index DIF)は、活性酸素で起こるといわれているので、そのような作用を抑制する効果のあるサプリメント、ビタミンC、ビタミンE、CoQ10などは効果が強いとされています。またリコピンやレスベラトロールなども、抗活性酸素作用があり良いとされています。そのほかにもDHAなど良いとされているものがたくさんありますが、取りすぎなければよいかと思います。
ところで、ビタミンCはシミの予防、ビタミンEは若返りビタミンなどとしても使われています。これらは、保険では処方できないので、自費での購入や薬局での購入になります。