理事長の中村嘉孝です。
院内のアンケートに、ある患者様からご質問がありました。
「『医者も知らないホルモン・バランス』、『続・医者も知らないホルモン・バランス』という本で紹介されているプロゲステロン・クリームの話は本当なのですか」というご質問で、「ブログで返事を」ということでしたので、早速、2冊をアマゾンで取り寄せて、ざっと読んでみました。
感想を率直に申し上げると、もっともな部分もありますが、首を傾げる部分もあります。
プロゲステロンが重要な役割を果たしているホルモンであるのはその通りですが、その不足が著者がいうほど、多くの問題を起こしているとは思えません。
もう1つ疑問なのは、著者が販売しているクリームの効力です。
イソフラボンのような植物性エストロゲンのように多少の効力はあるのでしょうが、著者がいうほど劇的な治療効果があるとは思えません。いずれにせよ、代替医療の一つということになります。
すでにご覧になられているかも知れませんが、Wikipediaの「プロゲステロン」の中の「サプリメントとしてのプロゲステロン」という項目の記述が、一番よくまとまっていますので、是非、ご覧下さい。
当院でも以前は、体外受精のために、天然プロゲステロンの膣座薬を院内で作って使用していたのですが、吸収が安定せず、特に治療成績の向上もなかったので、現在では使用していません。
なお、当院でお出ししているDHEAも同じようにヤムから作られているホルモンのサプリメントです。
アメリカではサプリメントとして販売されていても、日本では医薬品扱いですので、当院も厚生労働省の許可を得て、特別に輸入しています。
そのクリームも同じく、医薬品扱いとなり、輸入には特別な手続きが必要となります。
お答えになりましたでしょうか。