医師の船曳美也子です。
先日日本産婦人科学会に田口医師と出席させていただきました。
年一回行われるこの大会は日本の産婦人科全体の学会なので、不妊の最先端の発表を行うというより、各大学が一年間の研究成果を報告し、また産婦人科医の教育を行う、というのが主目的になります。
その後、私の母校である兵庫医科大学産婦人科の同窓会に出席しました。
兵庫医科大学は関西で初めて体外受精を行った大学で、私が研修医だった20年前は、抗精子抗体の発見で世界の産婦人科教科書に名前がのっている磯島名誉教授を筆頭に、不妊治療の最先端でした。
そのころは国内で体外受精をしている施設はすごく少なかったので、いろいろ貴重な経験をさせていただきました。
同窓会の二次会では、他大学で産婦人科教授をされている先輩も参加されましたが、大学や大きい病院で体外受精をする場合、プライベートクリニックに比べると利便性が劣ってしまうので、いろいろ苦労している、とおっしゃっていました。
確かに、私どもだと夜診もしているし、入院があるので24時間いつでも連絡できる体制になっています。
扱う症例が多く、当然、技術力も高い水準を維持しています。
不妊だけでなく、癌や分娩や手術なども全部がんばらなければならない大学は大変だと思いますが、やっぱり母校なのでがんばってもらいたいと、思っています。
プライベートクリニックでは、採血ひとつにも、患者様の負担になるので、簡単に研究データをとるわけにいきません。厚生労働省も大学には研究費を十分だして、サービス面で勝負させるのではなく、新しい研究内容で勝負させるようにしてほしいと感じました。