学会報告(1日目)

学会報告(1日目)

理事長の中村です。

今回のローマでの学会では、ホテルや会議センターではなく、見本市の展示場が学会場になっています。東京ビッグサイトやインテックス大阪のような感じ、といって、お分かりいただけるでしょうか。

泊まっているホテルと会場の間のシャトルバスは往復一便だけで、朝の7時にホテルを出てから午後6時の帰りの便まで、学会場で缶詰です。

今日は、精子の選別法や不育症などについて、聴いてきました。

普通、精子は卵子に比べて簡単に採取でき、数も多いため、注目されにくかったのですが、顕微授精(ICSI)の成績をさらにアップするため、よりよい精子を選ぶ方法について関心が集まりはじめています。

午後からは不育症のセッションを聴きました。

何週か前、『NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE』 という有名な医学雑誌に載った研究成果が、講演で発表されていました。
優れた研究と思いますが、すでに論文を読んでいたので、「別にこれは聞く必要はなかったかな」 と思っていたところ、次の発表者がその内容が強く批判を始めたのです。

それほど有効な反証ではないものの、確かに、そういう見方もあるのかと気付かされ、改めて、学会で顔をつき合わせて議論したり、質問したりすることの大切さを認識しました。

他にも、胚の選別や、自然周期と誘発周期とどちらがよいのか、など、色々なディスカッションを聴き、とても収穫の多い一日でした。