理事長の中村嘉孝です。
今日は、胚の代謝や着床など体外受精についてのセッションの他、手術ライブのセッションがありました。
衛星中継でストラスブルクの病院と学会場を結び、ヘッドセットをつけた術者が解説をしたり、会場の質問に答えたりしながら手術を進めていきます。
ワールドカップの中継のために、衛星回線が使える時間に制限があり、少しだけセッションの時間が短くなりました。
生殖倫理のセッションもあり、ローマということで「カトリックとヒトの生殖~歴史的概観」という講演がありました。
バチカンは体外受精を禁じていますので、講演のあと「信者が体外受精を受けにいったら、教会はいったいどうするのか?」という質問が出ました。
講演者の答えは「教義は教義。教えを説いているだけ」というものでした。
質問者は「無責任だ」と怒っていましたが、私は「まあ、それでもいいか」という気がして、なんとなく、力が抜けてしまいました。
そして、真剣に子どもがほしいと思って体外受精を受けている夫婦のことは、神様も「仕方ないな」と思っているんじゃないかな、と思いました。
ところで、大きな学会には製薬会社など企業の展示があるのですが、今回の出展企業で、ドナー精子を扱っている会社が面白い広告をしていました。
不謹慎と思われる方もあるかもしれませんが、バチカンの話を聴いたあとには、とても印象に残りました。