基礎体温について…その2

基礎体温について…その2

医師の田口早桐です。

前回基礎体温について、書きました。ここのところ、基礎体温のことばかり考えていたので、また少し書かせてくださいね。

きちんと排卵があると基礎体温が2相性になっている、というお話をしました。排卵までは体温が低く、低温期と言い、排卵後は体温が上昇し、高温期と言います。
女性の体調や気分は、この二つの時期で随分変わります。

普段は意識していなくても、基礎体温をつけているうちに、その違いに気づくようになる方も多いのです。低温期は、排卵するための卵が育つ時期で、女性ホルモンがどんどん出て、肌の調子もよく、やせやすく、気分も前向きになります。
一方高温期には排卵した後に出る黄体ホルモンのせいで、むくみやすくなり、便秘がちになり、体重が増え、肌はオイリーになってにきびがでやすく、気分は憂鬱になりやすくなります。

あまりにその症状がひどいと、月経前症候群、と呼ばれることもあります。
月経前症候群とは、上記のようなさまざまな不快な症状が排卵後から次の月経まで続く状態を総称していいます。原因として、黄体ホルモンで起こると言う説、脳内物質の変化によると言う説、低血糖によるという説など諸説ありますが、まだはっきりはしていません。

そういえば以前、ふと思い立って、夫と喧嘩した日を手帳につけてみると、すべて月経前だったことを発見したときは感動しました。
そして、今、これを書いている現在、私は、高温期の真っ只中。
私が今、むくみがちで肌の調子が悪いのは、決して夜中にチョコレートやクッキーを食べまくっているからではありませんし、イライラして当り散らしているのは、私の性格が悪いわけではありませんから、皆さん、誤解しないでくださいね。念のため。