『ザ!世界仰天ニュース』

『ザ!世界仰天ニュース』

医師の船曳美也子です。

先日、『ザ!世界仰天ニュース』の収録に呼ばれ、スタジオまで行ってきました。

2009年に、アメリカで体外受精の受精卵取り違え事件があったのですが、番組では、このニュースをドラマ風に再現します。

私は不妊治療の技術について説明をしました。

幸いこの事件では、間違った受精卵の移植を受けたご夫婦が、本当のご夫婦のために出産を引き受け、無事に出産したというハッピーエンドでした。

そんなわけで、本来はシビアな話なのですが、SMAPの中居さんや鶴瓶さんの軽妙なトークで、スタジオは、どこをオンエアするんだろうと思うぐらいの爆笑につつまれました。

取り違え防止のための当院の取り組みも紹介できるよう、実際のシャーレを準備していたのですが、スタジオでは時間がなかったので、ここで説明させてください。

スピッツ(試験管)の中に採卵した卵は、シャーレに移されます。
その際に、すべてのスピッツ、すべてのシャーレの本体と蓋に、患者様のID、名前が記入されています。
精液容器にはご主人の名前、患者様の名前、IDの両方を記入しています。

そして、卵をあつかう技師は常に同時に二人おり、かならず、二人で確認します。
そして、患者様のIDだけではなく、卵にも一個ずつIDをつけてコンピュータに登録して管理をしています。

もちろん、こういった手順を踏んでいても、人間のすることですから100%はありません。
ですので、エラーが起きても回復できるようなフェイル・セーフの手順を導入するとともに、医師も看護師もエンブリオロジストも、週一回の安全委員会やカンファレンスなど、機会があるごとに手順の重要性を確認しあっています。

しかし、「海外では、名前だけの管理があったりして、結構ずさんみたいですよ」と番組のために調査をしたディレクターさんがおっしゃっていました。
日本人は細かすぎる、と外国人の友人にいわれたことがありますが、こういう場合は、日本的な完璧主義が大切ですね。

6月15日(水)午後9時から、 日本テレビ系列の『ザ!世界仰天ニュース』で放映されます。
是非、ごらん下さい。