医局カンファレンスです。
不妊症に限らず、医学情報を探しておられる方はどなたでも「いくつも情報があるけれども、いったいどれを信じてよいのか分からない」という経験をお持ちだと思います。
「査読(さどく)」という言葉をご存知でしょうか。
新聞の科学面を読んでいますと、新しい発見を紹介する記事の中に「この研究成果は、学術雑誌×××の電子版に*月*日付で掲載される。」というような文章を目にされた方がおられると思います。
ほとんどの場合、「この研究成果は、学術雑誌×××の査読に合格して、電子版に*月*日付で掲載される。」と読み替えることができます。
研究者が得られた研究成果を学術雑誌に投稿します。
編集長はこの原稿をその分野の専門家に渡し、内容の目新しさ、正確さ、盗用や捏造がないこと、文章として読むに耐えるものであるかどうかなどについて、評価を請います。
専門家の判定を参考にして、編集長は原稿を掲載するか否か最終決定します。
これが査読制度です。
一度で査読に合格することは珍しく、ほとんどの場合は追加の研究や書き直しが必要、または不合格です。
このように、内容にまで介入する「査読」は、「校正」とはまったく異なります。
国際的な医学専門雑誌の多くが、査読制度を現在取り入れています。
掲載内容の質を保つのに、査読制度は一定の効果は果たすと考えられますが、それでも査読者も人の子ですから問題が起きるケースも少なからずあります。
査読を受けていないようなものは学術論文・情報とは呼べないと、私は考えています。
このブログで記してきた文章も、当然ながら査読を受けていないものです。
それでも「査読をパスした」医学情報を、読者の皆様に提供するよう意識していきたいと思います。