アベベを覚えていますか?

アベベを覚えていますか?

理事長の中村嘉孝です。

来週、30日(日曜)の大阪マラソンですが、オーク住吉産婦人科がコースの中に入っております。長時間にわたって交通規制が行われるため、たいへんご迷惑をおかけします。詳細については、ホームページをご覧下さい。

さて、マラソンといえばアベベをご存知でしょうか?

1960年8月のローマオリンピック。アフリカからやってきた無名のランナーが裸足で走りだし、2位を大きく引き離してゴール。
騒然となった観衆の前で、あろうことか、軽く整理体操をはじめた。
私もリアルタイムでは知らないのですが、小学生の頃、子ども向けの本でアベベの話を読んで、胸のすく思いをしたことを覚えています。

大阪マラソンでアベベのことを思い出して、『アベベ・ビキラ』(ティム・ジューダ著、草思社)と『アベベを覚えていますか』(山田一廣著、壮伸社)を読みました。
そして、実は出場前にスウェーデン人トレーナーによる周到なトレーニングが行われていたことを知りました。また、その風貌と寡黙から「裸足の哲人」と呼ばれたアベベですが、成功した男の常として、酒色に溺れる生々しい姿も描かれていました。

さて、長く苦しい不妊治療は、しばしばマラソンに喩えられます。
そして、どれほどスポーツ科学が進歩をとげても、走るのはランナー自身であることに変わりないのと同様、不妊治療の技術がどれほど進歩しても、ゴールを目指して走りつづけるのは自分自身です。
はるか長い先のゴールを目指し、頑張って走り続ける皆さまを、精一杯支えることができるように、私たちも努めていきます。

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「沿道では燃えさかるたいまつをかざして10ヤードごとに狙撃兵が立ち並び、走者に正しい行く手を示している。まるで幻想の絵巻のように、走者たちのシルエットがかげろうとなって駆け抜けていった。(略)
沿道は人で埋め尽くされていた。生霊さながらの様子で駆け抜けていく走者に、女たちはひざまずいて十字を切った。」(前掲『アベベ・ビキラ』から)。