心の持ちよう

心の持ちよう

医師の田口早桐です。

最近こんな論文を目にしました。Human Reproduction という雑誌に掲載されたものですが、題名はIdentifying by means of coping typologies and primary appraisal the likelihood of positive β-HCG test results in women undergoing IVF treatment: a preliminary study。

内容はこういうことです。

我々は日常遭遇する出来事、とくにストレスフルな事に対して、いろんなパターンの対応の仕方をしますね。
それは、その人のもともとの性格なり、これまでの人生での成功体験や失敗した経験、親や友人の影響など、全ての体験したこと、見聞きしたことがベースになって、その人の今現在の行動パターンを作っていると言えます。これを、大きく分けて、「ポジティブに受け止める人」と「ネガティブに受け止める人」に分けます。
少々大雑把ですが。そして、その2グループで、体外受精で妊娠したかどうかを調べます。結果、「ポジティブな人」が妊娠しやすかった、ということです。

もちろん、この結果が絶対ではありません。他にもあまり関係なかったとか、否定する論文も出ていますし、そもそも性格調査のしかたもいろいろあり、科学的根拠が確かだと認められるためには、まだまだ道のりは遠いのです。

しかし、このことには以前から私も注目していて、拙著「やっぱり子どもが欲しい」の中でも書かせていただきましたが、なぜ、ハリウッドスターは高齢になっても思い通りに妊娠しているように思えるのか、ということに対して、やはり、たとえそれが困難であると分かっていても、もともと物事に取り組む姿勢が違うのではないか、と推察しています。

我々も、ハリウッドスター並みとまではいかなくても、「心の持ちよう」を意識することは、何事においても大事なのかも知れません。