子宮内膜症と不妊…その2

子宮内膜症と不妊…その2

医師の船曳美也子です。

子宮内膜症かどうか、どうやって診断するのでしょうか?まず、症状です。
第一に、だんだんはげしくなる月経痛。もともと月経痛は、子宮の内膜がはがれるときの痛みです。
内膜がはがれる時、内膜を支えている血管が縮まり切れます。
この血管を縮ませる物質がプロスタグランディンといいますが、子宮を強く収縮させることで痛みを感じさせます。

月経痛は大小差はあれ、ほとんどの方が経験しています。
ただ、普通の月経痛は年齢とともに軽くなることが多いのですが、子宮内膜症の場合、次第に強くなっていくことが特徴です。
ただ、内膜症の方でも、特にチョコレート嚢腫の場合、全く症状のない方もいます。

子宮の外側から骨盤内に続く膜に子宮内膜症ができた場合、性交時に腟入り口ではなく、腟奥の方で強く痛むことがあります。
また、排便時に骨盤奥が痛むかたもいらっしゃいます。痛みの種類としては、腸の癒着がない場合は、重い鈍い痛みが時々ある程度。

もし腸管の癒着があれば、時々きゅ~っと強くいたくなり、すっと直るといった、腸管の蠕動運動に伴った特徴的な痛みを慢性的に持つ方もいらっしゃいます。

次に、超音波です。超音波でわかるのは明らかな卵巣内の出血です。
また、子宮筋層内にできる子宮腺筋症も比較的判定しやすいです。
ただ、骨盤内の膜にできたものは塊ではないので超音波は判断できません。

なので、確実に診断しようとおもえば、腹腔鏡検査が必要になります。
ただ検査といっても、簡単なものではなく、全身麻酔をしてお腹に小さい穴をあけて二酸化炭素を通してという手順が必要で、手術室で行われるものです。