医師の田口早桐です。
私は普段、テレビを見ません。自宅のテレビは、通常の番組を見ることが出来ないように設定しています。
…というと、さぞかしきっちりした無駄の無い生活を送っていることかと思われるのですが、元来「自分を律する力」が非常に弱いことを自覚している私にとっては、絶対に必要なこと。
バラエティー番組なんかをぐだぐだとひたすら見続けること必至だから、自衛策です。
しかしその分能率的に過ごしているかと言うとそうでもないのですが、随分ましだと思っています。
副作用(?)は、世間で起こっている出来事に疎くなること。
診療していて、急に何か特定の相談が増えたり、特定の検査を希望して訪れる方が増えたりすることがあります。「なんか、テレビでやってたの?」とスタッフに聞くと、大抵は少し前に情報番組で取り上げられていることが多いので、納得です。
ここ数週間はAMH(anti mullerian hormone 卵巣の予備能、つまり卵巣年齢を知る検査)の測定を希望されて来院する方が激増。やはり、テレビで取り上げられたようです。
番組制作の際に制作会社等から問い合わせがあることも多く、その場合には、「あのときの内容が放映されたのだな」と思うのですが。
それにしても、テレビの影響力は本当に強いなあ、と思います。
みのもんたが一言言うとスーパーの店頭からその商品が消える、なんて言いますが、そのくらい、見ている人が多いのでしょうね。
実は「ミヤネ屋」が全国区になる前、2週続けて出て、不妊の解説をしたことがあります。
外来の合間の生放送で、準備も大変だし、急かされて泣きそうになりましたが、そのあと診察していたら患者さんに次々と「今日見ましたよ。分かりやすかった。」と言ってもらえて、とても嬉しかったのを覚えています。
テレビというメディアの功罪についてはよく議論されるところですが、いまだに多くの人に大きな影響を与えることに変わりはなく、正しい知識と情報を伝えるために、また機会あればと思っています。