精液所見基準値

精液所見基準値

男性不妊で当院を受診される患者様の中には、精子の状態が基準値より悪い方がおられます。

精子の正常値についてはその精子の濃度が1mlあたり5,000万から1億個ぐらいといわれていますが、実際には、不妊治療でこられた患者様しか精子の検査をしていないので、正確にはわかりません。

しかし、WHOでは、精子の状態と、妊娠となった症例を検討して精子の基準値を出しています。

以前は精子の数は1mlあたり2,000万個、運動率が50%であったものが、昨年、1,500万個と40%に変わりました。WHOという権威ある機関が示した数字のため、とても重要な意味があると思うのですが、急激に下げられたその値を、積極的に治療に反映することは難しく、以前の基準を用いるかどうか判断に悩んでいる施設も多いようです。

実際、学会等で発表時には2つの基準を示して判断していることもあります。
数字で一喜一憂することもありますが、不妊治療は、タイミング療法から、順にスッテプアップしていくので、よほど基準値から離れていない場合は、前向きに治療していくことがよいと思います。