子宮内膜の血流…その3

子宮内膜の血流…その3

医局カンファレンスです。

これらの結果から、子宮内膜の血流を増やすべき時期は「着床期(分泌期)」ではなく、「排卵前期(増殖期)」であると云えます。

われわれが以前に検討したところ、排卵前期に盛んに卵胞から分泌されるエストラジオールは、子宮の微小血管内皮細胞からの主に血管の成長を促す因子(CXCL1やCXCL12)の合成を司ること。

一方、排卵後の黄体から分泌されるプロゲステロンは、子宮微小血管内皮細胞の成長を抑える(CXCL9合成など)役割を持つことが、明らかになりました(Yasuo T et al., Fertil Steril. 2009;92:709-721)。

以上より、最初の質問に対する答えは、「月経から胚移植決定までの時間に、子宮内膜の血流を改善することが大事です」であると私は考えています。