冷え性と漢方

冷え性と漢方

医局カンファレンスです。

今回は 冷え性についてお話します。
中学生ぐらいのとき よく祖母から 「女の子は お腹や足を冷やしたらあかん」と、言われていました。しかし、理由もわからない私は、ただ 聞き流しているだけでした。ミニスカートもはきたいし、寝るときとはいっても腹巻するのも恥ずかしいし・・・。

では 女性にとって冷え性とは どんなものなのでしょうか。
調査によると、女性の半分以上が冷えを自覚しています。
末梢血流の障害・基礎代謝の低下・やせ・貧血など、要因はいろいろあります。
ホルモン変動のみられる思春期ごろより、冷え性の割合が増えます。
それは、エストロゲンという女性ホルモンも関与しているからです。

さらに、ファッション性を優先させた薄着・飲食物の偏り・生活リズムの乱れ・冷房・浴槽に入らずシャワーですませてしまう、といった身体を冷やしてしまう原因がいっぱいあります。
成熟期では、どうでしょうか。いろいろな社会環境により、ストレスや疲労といった変化も加わり、さらに冷え性が増悪するケースもでてきます。

西洋医学的に考えたとき、冷え性の客観的検査法や治療法は、はっきりしているとはいえません。
東洋医学的には、冷え性は非常に重要な状態です。不妊症の方にも やはり冷え性が多いのです。
不妊症に対する漢方治療で重要なのが、まず、冷え性を改善することです。思春期の冷え性は 気血水の巡りが悪くなっていることが多く、成熟期では 血虚が増えてきます。さらに更年期では 五臓の老化と、年齢によっても冷え性の原因が変化していきます。
体質や症状の組み合わせにより、漢方薬を選んでいきます。

国内の調査で、タイミング療法や人工授精はもちろん、体外受精時の漢方薬の併用で、妊娠率は上昇しています。 

さらに、生活習慣を見直し、スポーツ・半身浴・クーラーの効いた部屋でのひざ掛けの使用、鍼灸もいいと思います。

私も冷えの改善のため、続けていく大変さを感じながら・・フー!!・・
少しずつストレッチを取り入れています。