外来で、精子の状態を左右するのに禁欲期間のことについてよく聞かれます。一般的には、禁欲期間が2~5日間くらいあればよいということになっていますと答えるのですが、ほんとのところ、あまり気にしなくてもよいですよと説明しています。
男性にとって精液検査は、ある意味結果を知ることが非常にこわい検査なのですが、以前にもブログに書きましたが、精液の状態はいいときもあるし、悪いときもあります。
そのときの体調によって大きく変化します。
実際に、一回結果が芳しくなくても、次のときは、WHOの精液の基準値を満たしていることが多くあります。
ガイドライン上も精液の確認は日を変えて、3回調べてその真ん中の値をとることになっています。
さて、イギリスからの報告で、30分から1時間の間をあけ2回採精をしていただき、2つの精子の状態を調べた報告がありました。それによると、乏精子症や精子無力症などの精子に異常を認める方については、1回目より2回目のほうがやや優れていると示されていました。
このことは、採精当日までの禁欲期間と関係はありませんでした。
タイミング療法や人工授精は前日もしくは前々日に精子の必要となる日が決定されるのですが、少しでもいい状態の精子をと思われ、いろいろな質問があります。
しかし、今回の報告から考えると、普通に過ごしていても精子については問題ないですし、逆にあまり神経質にならないほうがストレスもかからず、よい方向に行くのではないかと思いました。