また、精子の奇形は胎児の奇形につながっているわけではと説明させていただいたのですが、それを裏付ける論文が発表されました。
先日、精子の形態異常があっても、精子の異常がなければ、妊娠出産まで行くことが出来るとお話しました。
Hum Reprod. 2016
Jun;31(6):1164-72. doi: 10.1093/humrep/dew083. Epub 2016 Apr 19.
*Patients with multiple morphological abnormalities of the sperm flagella due to DNAH1 mutations have a good prognosis following intracytoplasmic sperm injection.*
精子の形態異常については頭部の異常、首部の異常、尾部の異常がありますが、この論文では精子の鞭毛(尾部)の異常のあるものについて検討しています。一部の染色体異常については、有意に高いものもありましたが、有意差の無いものも多くありました。
DNAの損傷も正常精子に比べて高くなく、全受精率、妊娠率、分娩率は70.8%、50.0%、37.5%で正常コントロール郡に比べて、優位な統計差はなかったと報告しています。