胚培養士の佐治です。
当院で新しく取り組むERA-Microbiome検査についてお話しさせて頂きます。
現在行っているERA検査とは、子宮内膜組織の遺伝子発現の状態から着床可能時間を特定する検査です。
例えば、良好胚を移植しているのになかなか着床しない場合、着床可能時期が予想より少しずれている可能性があります。
ERA検査をすることにより、その人に最適な移植時期を特定することができます。
予想よりずれているという結果が得られた場合、その結果を踏まえて胚移植を行うことにより着床率を改善することができます。
さらに近年の研究で、これまで無菌だと考えられていた子宮内にも細菌が存在し、その細菌が増えることにより子宮内膜で免疫が活性化し、着床を阻害してしまう可能性が示唆されています。
ERA-Microbiome検査では、ERAと同時に子宮内膜に存在する細菌の種類や分布(Microbiome)を分析し、細菌が子宮内環境や着床率・妊娠率に与える影響を調査します。
子宮内の環境悪化が流産の原因になっているという報告もあり、子宮内膜に存在する細菌が着床に及ぼす影響が分かれば、子宮内の細菌の状態を確認することにより、最適な環境を選んで移植することで着床率を上昇させ、流産の可能性を低下させることができるかもしれません。
当院では、臨床研究としてERA-Microbiome検査を実施することにより得られた結果を将来の治療に役立てたいと考えています。本研究にご協力くださる患者様を募集しております。研究に参加される患者様には無料でERAを実施いたします。
ご参加頂くにはいくつか条件があるので、興味を持ってくださった方はスタッフまでお気軽にお声掛けください。詳しくご説明させて頂きます。