医師の田口早桐です。
甲状腺ホルモンは、不妊や不育に密接に関係していると言われていますが、基準となる数字は曖昧です。
先日も非常に権威ある医学雑誌で、その内容が論じられました。
当院の7月16日のブログでも取り上げています。
TSHという、甲状腺を刺激するホルモンが高い状態を、「潜在性甲状腺機能低下症」と診断してTSHの数字を下げるために甲状腺ホルモンを投与しますが、そのTSHの基準値が定まっていません。
2.5を指標にすることが多いのですが、4.0程度だという意見もあります。
当院ではこれまで2.5以上を治療を要すると判断していましたが、経験上、そして現在起こっている議論を踏まえた上で、基準を3.5に引き上げることにしました。
TSHが3.5以上の場合に甲状腺内科にコンサルトするという形をとっています。
今まだなお議論がなされている分野ですので、今後もまだ基準が変わる可能性があります。
何事もそれぞれ違う体ですから、症例に応じて、必要な場合は甲状腺に対する抗体測定などの検査も追加しつつ、診て行きたいと思います。