医師の田口早桐です。
広島大の研究チームが、新しい雄と雌の産み分け法を発見したと発表しました。
マウスでの実験結果です。
畜産の分野では、雌雄で市場価値が異なる場合があるので、産み分け技術への需要が高いのですが、雄雌を分けるX精子とY精子の選別は難しいとされていました。X精子が受精すると雌に、Y精子が受精すると雄になります。
X精子の尾部にある受容体TLR7とTLR8に刺激を与えると精子の運動が止まることに着目し、試験管に入れたマウスの精子に培養液と受容体を刺激する薬剤を加えて約1時間待つと、X精子は不動化されて下層に沈殿し、Y精子が上層に集まりました。上層と下層からそれぞれ精子を採取して体外受精をしたところ、8割の正確さで雄雌の産み分けができたそうです。
現在、ヒトでは、X精子とY精子の質量の違いを利用した12層パーコール法もありますが、精度は低いですし、体外受精で受精卵の染色体を調べると100%正確に産み分けができますが、誰もが出来る方法ではないのが現状です。
今回の報告は、実際にヒトに応用する段階ではありませんが、精度が上がれば期待できますね。