医師の田口です。
不妊治療でよく使用するクロミフェン(薬剤名:クロミッド)は、ドーピング禁止薬剤に指定されています。
最近の報道にもあるように、ミルウォーキーブルワーズという野球チームのペドロセベリーノ選手が、クロミフェンに陽性反応が出て、80試合の出場停止処分になりました。
野球に詳しくない私ですが、チームに対しての影響はとてつもなく大きいのではと思います。
28歳。母国のドミニカ共和国で不妊治療薬として処方されたクロミフェンを服用していたとのこと。
精子の所見が良くない場合などに男性不妊外来で処方することも多いお薬です。
また、女性の不妊治療では排卵誘発剤としてよく使います。
多嚢胞性卵巣など排卵障害の場合はどうしても必要です。 クロミフェンの処方抜きではなかなか排卵がおこらないので、治療が進まないということになります。
セベリーノ選手は、
「この過ちを受け入れ、処分に不服申し立てはしないことにしました。16歳でプロになり、メジャーでも7シーズンにわたってプレーしてきました。これまで100回以上検査を受けてきましたが、1度も問題はありませんでした。家族を持とうとした中で、私は過ちを犯しました」
などと心境を明かしている、とのこと。
プロスポーツ選手として活動する中でいろいろと制約があるのは仕方のないことですが、子供が欲しいのに充分な治療ができないということは、悲しいことだなと思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab125509ca1ebb77d064d23bf969aeb0a5a62877
日本の球界でも、あったようですね。