Oak Journal Review: 父親側の因子は父親由来の胚の異数性に影響するのか?

Oak Journal Review: 父親側の因子は父親由来の胚の異数性に影響するのか?

検査部の奥平です。


6月13日に院内で開催された勉強会より、論文紹介(Oak Journal Review)の内容をお届けします。


今回ご紹介する論文は、


Relationship between paternal factors and embryonic aneuploidy of paternalorigin.


Bonus ML, McQueen DB, Ruderman R, Hughes L, Merrion K, Maisenbacher MK, Feinberg E,

Boots C.

Fertil Steril. 2022 Aug;118(2):281-288. doi: 10.1016/j.fertnstert.2022.04.020.


です。


女性の加齢に伴って、胚の染色体数異常(異数性)の発生頻度が増加し、妊娠率の低下や流産率の増加につながることはよく知られています。これは卵の老化によって減数分裂の過程でエラーが起き易くなり、結果として卵子の染色体数に異常が生じることが主な原因です。

したがって、胚の異数性は主に母親の染色体に由来するとの考えが一般的です。しかし、胚の異数性がどちらの親に由来するものであるかどうかを評価した研究はほとんどありません。


また、転座などの遺伝的異常は父親由来の胚異数性のリスク因子として報告されていますが、それ以外の父親由来の胚異数性につながる因子はよく分かっていません。


そこで本研究では、一塩基多型(SNP)を用いたPGT-Aにより、父性因子(年齢、BMI、精液パラメーター)と父親由来の胚異数性の間に関連があるかどうかを検討しています。


詳細は動画をご覧ください。