日本産科婦人科学会参加報告

日本産科婦人科学会参加報告

医師の北脇です。
2024年4月19〜21日に第76回日本産科婦人科学会が横浜で開催されました。私も大学勤務の頃から毎年参加しており、本年も参加してきました。

この学会は、文字通り産婦人科で最も大きな学会です。今回は約7,000名の現地参加があり、これ以外のオンライン聴講者を加えると10,000名以上の参加があったと思われます。

毎回数多くの発表がなされますが、その中でも本学会におけるシンポジウムは特に格式のあるものです。あらかじめ提示されたテーマに対して演題の応募があり、その中から厳正な審査を経て4題程度の演題が選ばれます。発表者にとっても大きな栄誉があるものです。

今回、2つのシンポジウムのうちの1つが、われわれ生殖医療に携わる者にとっても興味深い「難治性不妊症の新規診断・治療法の開発に向けた病態解明」というものでした。選ばれた4演題は、早発卵巣不全に関するもの、生殖補助医療技術に付加する技術を検証するもの、脱落膜化不全に関するもの、そして反復着床不全に関するものでした。

これらの題材はいずれも現時点では効果的な治療法が確立しておらず、今後改善していかなければならない項目です。今回発表の研究成果は基礎的かつ先進的な研究成果であり、いますぐに現場の生殖医療に反映できるものではありませんが、臨床現場での治療方針を選択していくうえで興味深いものであり、大変参考になりました。