妊娠中の食生活と子供の発達障害リスクに関する最新研究

妊娠中の食生活と子供の発達障害リスクに関する最新研究

今回は、今話題の最新医学研究をご紹介します。2025年3月、医学誌 Nature Metabolism に発表された研究によると、妊娠中の食生活が子供の発達に影響を及ぼす可能性 があることが示されました。

この研究では、妊娠中の母親の食事内容と、子供のADHD(注意欠如・多動症)や自閉スペクトラム症(ASD)の発症リスクの関係が調査されました。特に、以下のような 「西洋型食事」 を摂る母親の子供は、発達障害を発症するリスクが高い傾向にあったと報告されています。

  • 高脂肪・高糖質の食品(ジャンクフード、加工食品など)
  • 精製された食品(白米や白パン、菓子類など)
  • 魚・野菜・果物の摂取が少ない

この傾向は特に 妊娠初期から中期 に強く見られたそうです。つまり、妊娠中の食事が胎児の脳の発達に影響を及ぼす可能性があるということです。

この研究結果を踏まえると、妊娠中は栄養バランスの良い食事を意識することが大切 です。具体的には、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

  1. 魚を積極的に摂る(特にDHAやEPAが豊富な青魚)
  2. 野菜や果物をしっかり摂取(ビタミンやミネラルを補う)
  3. 加工食品やジャンクフードを控えめに
  4. 糖質の摂りすぎに注意(白米やパンよりも玄米や全粒粉を選ぶ)

もちろん、食事だけが全てではありませんが、「できる範囲で意識する」 ことが大切です。今回の研究は、食事と発達障害の関連を示唆する重要なものでしたが、因果関係が完全に証明されたわけではない という点には注意が必要です。疫学研究のため、今後さらに詳細な検証が必要とされています。

また、日本人の妊婦さんは比較的バランスの良い食事をとる傾向があり、この研究結果が日本人にも同じように当てはまるかは、慎重に考える必要があります。

それでも、妊娠中の食事が胎児の健康に影響を与えることは間違いなく、日々の食事を見直す良いきっかけになる研究 ではないでしょうか?

妊娠を考えている方や現在妊娠中の方は、食事の選び方について一度見直してみるのも良いかもしれません。

当院では、妊娠された後も、胎児精密超音波検査や、妊婦健診などで、積極的にサポートを行っています。妊娠中の食事のアドバイスも行っていますので、心配な方は気軽にご相談くださいね。

【参考論文】

A western dietary pattern during pregnancy is associated with neurodevelopmental disorders in childhood and adolescence. Nature Metabolism (2025)(外部リンク)

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