Personalized prediction of live birth: Are we there yet?
F&S vol.104 No.2 August 2015 P283-285
卵巣刺激によるIVFを行う前のカウンセリングで、妊娠の確率を知るための、マーカーにAMHが利用できるか?
Antimullerian hormone levels and AFC as pregnostic indicators in a personalized prediction model of live birth S.M.Nelson, UK F&S vol.104,No.2, Ausust 2015 p325-331
AMHは小胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるので、AMHが高い(が高すぎない)とき、採卵で獲得できる卵子の数が多いことは予想できます。結果、移植できる胚の数も増えるので、1回の採卵周期による生児の獲得率はあがると考えられます。すなわち、AMHと発育卵子の数の相関の結果、妊娠率があがるという考え。
ただ、AMHが高いと、妊娠率とは相関するか、すなわち卵子の質とは関係するか?
これについては、相関しないという論文が多いのですが、関係するという論文もあり、現在まだcontroversialなようです。
二つ目の論文では、1回の採卵周期での出産率(新鮮胚移植および凍結融解胚移植)を予想するために、原因、妊娠歴、BMI、年齢、という基礎的因子に、AMHとAFCおよび両者を加えてみて、出産率予想が向上したかをみています。それによると、原因、妊娠歴、BMI、年齢という要因に加えAMHを追加すると最も予想の正確性があがったという報告です。
これは、AMHが高いと移植できる胚の数が増えるため累積出産率が高くなったため、と思われます。
また、BMIについては、今までも肥満が卵の質に影響するか、着床に影響するか、これもcontroversialですが、この論文では、高BMIは卵子の質に影響しているとしています。
確かに、原因不明で、反復不成功の方に2ヶ月のオーク式ダイエットで減量後、成功したかたも多くいらっしゃいます。今後は、ダイエット前と後の採卵で何が変わっているのか研究をすすめないと、と思いました。