エンブリオロジストの天野です。
今月は生殖医療関連の学会が各地で開催されており、5/14~16にタイで行われたSIART (SAFE International ART Congress )と、5/17、18に神戸で行われた日本卵子学会に行ってきました。
SIARTは当院の理事長、中村嘉孝先生の講演があり、私たち培養士はそのお手伝いと(現地で手伝うことは何もありませんでしたが)、他の先生方の講演を聞いてきました。
国際学会なので、日本では禁止されているPGD(着床前診断)や、ドナー卵子・精子を用いた治療の臨床のデータが発表されており、勉強になりました。
日本卵子学会では、当院は「カルシウムイオノフォア GM508 Cult-Activeの効果の検討」という演題で発表がありました。
カルシウムイオノフォアというのは、顕微授精の後に行う卵子活性化処理で、当院ではGM508 Cult-Activeという液を用いています。顕微授精での受精障害や重度の男性不妊が適応となり、当院の実績では80%以上に受精率の改善が認められます。
GM508 Cult-Activeは意外に知られていなかったのか、発表の後フロアからの質問や、会場を出た所で、GM508 Cult-Activeの使い方や適応症例の選び方など、たくさんの質問を頂きました。