培養士の高野です。
10月13~17日にアメリカのボストンで開催されたアメリカ生殖医学会(ASRM)に参加してきました。
この学会では世界各国からドクターや培養士、研究者などが訪れ幅広い分野の発表が行われていました。
私は主に胚や精子、培養に関わる発表を聞いてきましたが、日本では主流となっている凍結技術等が目新しい物のように報告されていたりと、テクニックの面における日本の生殖補助医療のレベルの高さを感じました。
逆に、着床前診断の面では、倫理の問題や学会の方針などにより日本は実用化が滞り、各国に遅れをとっているように感じました。
発表の中で興味深かったものは、培地や特殊技術の検討を同じ患者様の卵で比較している発表でした。
結論から言うと患者様によって合う合わないがあるということでした。
やはり卵にも個性があり、その患者様に合った方法でIVFを進めていかなければいけないのだと感じました。
当院でも、様々な特殊技術を施行することが可能になっています。
当院では患者様の次回の採卵の方針を培養士から提案させていただき、それをもとに患者様と先生で相談していただくようになりました。
毎日患者様の卵を見ている培養士だからこそ分かる点も多々あるため、卵の個性を見極め、患者様に合った特殊技術を選択させていただきたいと思っております。