医師の船曳美也子です。
日本産科婦人科学会では、昭和61年以降、体外受精・胚移植などの生殖医学の臨床実施に関して、登録報告制をおこなって、体外受精数の集計と分析をおこなっています。統計して分析すること、および、体外受精で妊娠された方が分娩するまで10ヶ月かかることから、その年度の体外受精に関するデータは約2年遅れで報告されることになります。
現在ある最新の報告は2009年に施行された体外受精に関するデータです。
それによると、
総治療周期数は 213,793周期
妊娠数は 37,428人
生産数は 25,601人
でした。
2009年の出生数は 1,069,000人でしたから、その約2.5% すなわち2009年の出生児の40人に一人が体外受精でうまれた赤ちゃんということになります。
また、これまでの累積出生数、つまり、日本で体外受精により出生した赤ちゃんの総数は242,435人に達しています。
また、胚移植の数を一つに制限することを推奨したことにより、移植の2/3以上が単一胚移植になったため、体外受精により多胎(双子以上)の妊娠率は、2007年の12.3%から2009年の5.9%と低下しています。
もうすぐ2010年の結果が報告されると思います。
さて、平成23年度はどの程度不妊治療が少子化に貢献できたでしょうか。
報告が待たれます。