医師の船曳美也子です。
今回は、アメリカ不妊学会の資料から抜粋したいと思います。
現代社会では、年齢が原因となる不妊がさらに増えています。
また、女性の約20%は35歳をすぎてはじめて子供を持とうとしています。
この傾向にはいくつかの原因となる要素があります。
1)避妊が容易になったこと。
2)女性の労働力が高まったこと。
3)結婚年齢の高齢化。
4)離婚率が高い。
5)結婚しているカップルが経済的にしっかりするまで妊娠を遅らせる傾向にあること。
6)*多くの女性が20代または30代前半から妊娠率が下がることを知らない。*
加えて、メディアで取り上げられる高齢妊娠の話題が、遅くなっても妊娠でき、ほしくなれば体外受精で妊娠できると信じさせています。
しかし、年齢の要素は自然の妊娠率と同様に不妊治療の成功率も低下させます。
自然の妊娠は、もしあなたが健康な30代なら、月30%の妊娠率をもっていますが、しかし40歳になるまでには、月5%になってしまいます。
以上の数字はアメリカのものですが、傾向は日本も同じです。
外来で早くに積極的治療をお勧めするのには、理由があるのです。