理事長の中村嘉孝です。
日本産科婦人科学会が、性同一性障害で性別を男性に変えた人と女性との夫婦がAIDをした場合、男性と子どもの間には法的に親子関係がないことを説明するよう、会員に通知することに決めた、との報道がありました。
ただ、報道各社にニュアンスの違いがあり、朝日新聞は『性同一性障害夫妻への精子提供容認へ』というタイトルで、NHKは『性同一性障害 人工授精慎重に』というタイトルになっています。
性同一性障害=マイノリティということもあって、どういうスタンスを取ればよいのか、学会も報道も決めかねているのでしょう。
一番、訳がわからないのが、ニュース47の報道。『性同一性障害男性が方針撤回要求 産科学会に』というタイトルで、次のような内容でした。
性同一性障害で性別を男性に変え、AIDで妻との間に男児をもうけた男性が、方針の撤回を学会に求めるコメントを出した。
男性は「不妊治療など、一般の人がAIDで子どもをつくった時は血縁関係があると推定されているのに、性同一性障害者だけ差別されるのはおかしい」としている。
しかし、指針は「『法的な親子関係を認めない』と法務省が言ってるから、そう説明しなさい」というだけです。学会に抗議するのはお門違いで、法務省に抗議すべきでしょうね。
男性はAID、2009年に男の子が生まれたものの、役所が嫡出子としての出生届を受理せず、戸籍がない状態が続いているそうです。