こんにちは。医師の田口早桐です。
先日ある会社の新しい婦人体温計についての説明会で、基礎体温についての話をさせていただきました。
基礎体温は、われわれ不妊治療に携わるものにとって、非常に馴染みの深いもので、毎日毎日何十冊もの基礎体温表を見せていただいています。
また、婦人科診療においても、不正出血が頻繁にあるとか、月経が不順だとかいうときには、つけていただいています。
毎日体温をつけるだけのことなのですが、いろいろな女性の体に関する情報が詰まっています。
普通の体温計ではなくて、婦人体温計と呼ばれる、1℃が20目盛りに細かく刻まれた体温計を使います。
そして、朝起きてすぐ、体を動かさずに安静のまま、口の中の舌の下に入れて測ります。
少しでも動いてしまうと、体温が上がってしまい、正確に測れないことが、あります。
そのようにして、毎日の体温をグラフにしますと、ちょうど月経周期(月経の初日から次の月経の初日まで)のまんなかへんを境に、体温が上がっているのが分かります。
つまり、2相になっています。これは、排卵が起こって黄体ホルモンという、体温を上げる作用のあるホルモンによる作用なのです。
実は、今回の説明会は上海で行いました。日本では、基礎体温は非常に一般的で、几帳面な性格の人が多いのか、とても丁寧にグラフにし、体調その他も細かく書き込んでいる人が多いように思います。
時々、感心して見惚れてしまうことも、あるほど。
中国では、基礎体温を測ることは、まだまだ一般的でないとのことでした。
基礎体温は安価に簡単に自分の状態を知ることのできる、とてもよい方法。
今回の説明会をきっかけに、少しでも興味を持っていただけたらいいなあ、と思いました。
そして、中国の女性の基礎体温は、日本の女性と比べて、どんな感じなのかなあ、とも思いました。
やっぱり、大陸的なのでしょうか。