新鮮胚移植と凍結融解胚移植時の子宮内膜厚による妊娠率

新鮮胚移植と凍結融解胚移植時の子宮内膜厚による妊娠率

医局カンファレンスです。

新鮮胚移植と凍結融解胚移植時の子宮内膜厚による妊娠率が検討された論文が出ていたので紹介します。
(Human Reproduction Vol.33,No10pp.1833-1888,2018)

新鮮胚移植では8mm未満になると、臨床妊娠率(p<0.0001)および生産率(p<0.0001)が低下し、流産率は上昇しています(p=0.01)。新鮮胚移植での生産率は、8mm以上33.7%、7-7.9mm25.5%、6-6.9mm24.6%、5-5.9mm18.1%でした。

凍結融解胚移植の場合では、7mm未満になると臨床妊娠率(p=0.007)および生産率(p=0.002)は低下しますが、流産率は有意差がありませんでした。

融解胚移植での生産率は、8mm以上28.4%、7-7.9mm27.4%、6-6.9mm23.7%、5-5.9mm15%、4-4.9mm21.2%でした(臨床妊娠率は5-5.9mmで29%、4-4.9mmで27%でした)。
そして、年齢と共に内膜の厚みも薄くなっていくこともわかりました。

(解説)
今回40,000を超える移植データから分析した論文がでました(カナダでのデータです)。
これをみると、新鮮胚移植の場合は8mm以上、融解胚移植は7mm以上で臨床妊娠率、生産率は維持されることがわかりました。

今回の論文では4mm台の移植での妊娠率についてのデータも集められており、今まではまとめられていなかったデータです。臨床妊娠率、生産率は低くなるものの可能性があることがわかりました。

なるべく厚くなるに越したことはないと思いますが、薄い方でも妊娠は可能で、そのような方を安心させるデータといえるのではないでしょうか。

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