講演をさせていただきました

講演をさせていただきました

エンブリオロジストの天野です。

先日、学会で知り合ったご縁で講演依頼を頂き、医薬品メーカーさんの勉強会に行ってきました。
培養液開発チームの勉強会だったのですが、参加者の皆さんは実際に培養液が使われているところは見たことがないとのことだったので、胚の培養を中心に培養士の業務を紹介させて頂きました。

培養士の業務は言うまでもなく「胚のお世話」です。
培養室では採卵から移植・凍結が終わるまで最長7日間、受精卵をお預かりしています。
その間、卵胞液から卵子を回収する作業(検卵)に始まり、受精させる作業(媒性、ICSI)、培養を行い、胚のグレーディング、培養液交換、移植や凍結の作業をするのが培養士の主な仕事になります。
そういった手技はマスコミに取り上げられることも多く、当院もよく取材を受けたりするのでご存知の方も多いと思っていたのですが、専門外の方には珍しかったようで、実際の超音波映像や顕微鏡写真・動画などが好評でした。

また、「胚のお世話」の中には培養環境を整えることも含まれます。培養器や培養液、使用する器材などは常に適切な状態に保たれているのが当然なのですが、適切な状態を維持するためには、日々のメンテナンスだけでなく、新しい技術や器材の情報に注意して取り入れていく必要があります。

今回、培養液の専門家という近いようで異なる業種の方々に講演をさせて頂き、培養液などの管理や選定基準についてたくさんの質問をお受けし、普段は特に意識しない業務へのこだわりなどを改めて感じる良い機会になりました。