AMHとFOXL2の関係

AMHとFOXL2の関係

医師の船曳美也子です。

Positive cross talk between FOXL2 and antimullerian hormone regulates ovarian reserve Mira Park,Ph.D.et al. South Korea F&S Vol102. No.3 p847-855;2014

こちらは、2014年のアメリカ生殖医学会のinvestigation achievement awardを受賞した論文です。すべての原始卵胞は胎児期に作りきられて活動を休止します。
思春期になると視床下部ホルモンの刺激で、原始卵胞は1月に1000個ほど活動を開始しはじめ、その後多くは細胞死し、最後に残った1つが排卵します。

この原始卵胞の活動を抑制するのが、AMHと、FOXL2です。
AMHは原始卵胞からできた一次卵胞、前胞状卵胞、小胞状卵胞から分泌される糖たんぱくで、もとの原始卵胞にこれ以上活動するなと抑制をかけます。また、同様にFOXL2フォークヘッド転写因子群はフォークヘッドDNA結合部位をもって、原始卵胞に活動するなと抑制をかけています。

今回の論文はこの2者の関係をしめしたものです。
結論からいうと、AMHとFOXL2は、ともに刺激しあっているという関係でした。
AMH はFOXL2を刺激し、FOXL2はまた、AMH の分泌を促していました。
ともに、なくなると原始卵胞の必要以上の活動がおこってしまい、最終的には原始卵胞が枯渇して、早発閉経になります。よって、このAMH、FOXL2をPOFの予防的介入につかえる可能性があります。