医局カンファレンスです。
現在重視している着床不全の原因のひとつ慢性子宮内膜炎について、新たにわかってきたことをいくつか書きたいと思います。
その1、その1については、今年2、3月のブログをご覧ください。
- 「慢性子宮内膜炎の診断には排卵前が適している」
以前は日付診(2月7日のブログに詳細)を兼ねて、避妊指導のもと、排卵後に診断していましたが、排卵前の方がより診断率が高いことがわかりました。排卵後の内膜は分厚く、最適な場所を十分観察できず見逃している可能性が考えられます。現在、当院では排卵までに子宮内膜を採って診断しています。 - 「従来法に特殊染色を加えることで、慢性子宮内膜炎の診断率が上がる」
予想されてはいましたが、いくつかのデータから確かであることがわかりました。短時間で精度の高い診断が可能となったと思います。軽症・重症の判定にも応用可能と期待しています。先日の学会で発表したところ、複数の医療関係者から問い合わせをいただきました。 - 「慢性子宮内膜炎に対する抗生剤治療が、着床不全の改善に期待できる」
治療効果の判定を開始してまだ数ヶ月ですが、長期の不妊治療で一度も反応が出たことのない何人かの患者さんが治療後1-2回目の胚移植で、妊娠しておられます。
また当院の着床不全検査で、慢性子宮内膜炎が見られなかった方の中にも妊娠成立・継続されている方が出てきています。
今後さらにフォローを続けたいと思います。