LUF(未破裂卵胞)

LUF(未破裂卵胞)

医局カンファレンスです。

外来で排卵確認時、LUF(未破裂卵胞)に時折遭遇します。
LUFとは卵胞の黄体化はみられるものの、卵が卵胞内に存続し続けるものです。排卵チェックの時に、卵胞の縮小がみられず、むしろ徐々に拡大してくる時もあります。

主な原因は卵胞壁破裂に関係するメディエーターの異常、特にプロスタグランジン系の異常やLHサージの異常、さらに子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患の存在が指摘されています。

LUFは自然周期の約5-10%で認められるといわれていますが、前述で指摘したような異常のある方はさらに頻度が高くなるといわれており、不妊原因の1つとなっています。

以前に原因不明不妊の患者167人に人工授精を施行するにあたって、HCG投与後34-40時間後に人工授精施行、そして人工授精時より4日間連続に経腟超音波で排卵チェック行いLUFの有無を検討した論文がありました。

3サイクル行い、1サイクル目にLUFであった患者は全体の25%でしたが、1回目にLUFを認めた患者が2回連続LUFとなった割合は78.6%、さらに2回連続でLUFを認めた患者が3回連続LUFとなった割合は90%という結果でした。LUFがみられる患者は繰り返しおこす場合が多く、こういった場合は早期に不妊治療のStep upが必要と思います。

また、NSAIDs(ロキソニンやボルタレン、バファリンなど)の服用はプロスタグランジン産生を抑制し排卵にストップをかけLUFを誘発しやすいので、排卵時期の服用は中止し作用機序のちがうアセトアミノフェン等の内服に切り替えるべきと考えます。