医師の船曳美也子です。
当院では、毎週1回、医師・看護師・胚培養士が集まってカンファレンスをしています。内容は症例検討会および勉強会です。
症例検討会とは、手術が必要な場合は、その術式や適応などをMRIなどをみながら皆で検討します。また、特殊な体外受精法を行う場合も同様です。
カルテをみて、今までの既往歴や治療歴などを確認し、どういう治療がベストなのか検討しています。
同時に、学会発表に必要な統計の勉強会もあれば、海外の不妊雑誌の抄読会もしています。
たとえば、前回のカンファレンスではHuman Reproduction 2010 Jan の抄読会をしたのですが、卵の凍結保存について子宮内膜症に関与するTGF-Βの存在肥満とBMIなどが個人的には興味深かったです。
卵の凍結保存…これは、未受精卵(精子とであっていない卵)を凍結保存したあと、融解し顕微授精を行った場合、受精率や継続妊娠率が、新鮮卵に顕微授精をしたものと差がなかった。という報告でした。
若いうちに卵を凍結しておきたい、でも今は仕事優先にしたい、という働く女性には朗報の?データです。
しかし、まだ慎重論も強く、先日のASRM(アメリカ不妊学会)でも、未受精卵の凍結は技術的に確立されている、という積極派と、倫理的な問題など解決すべき問題点は多いとする消極派で対立していました。
などなど。長くなりますので、また続きは今度ご報告いたします。