医師の船曳美也子です。
先日、今年2回目の不妊セミナーがありました。
セミナーでは、私は、妊娠の成立、不妊検査治療といった一般的なお話をします。
その後、体外受精の話や、田口先生の話があり、今回は不妊治療経験のあるご主人の話もありました。
その後でお茶会もあるのですが、聴きに来られていたご主人にきくと、やはり、経験者のご主人の話が非常に良かった、というご意見を多くお聞きします。
悩みや不安、同じような体験を聞き、自分たちだけではないのだ、と安心されたようでした。
ご主人の体験談のなかで、「自分もはじめは不妊治療に反対だった。
愛のないセックスなんて、と思っていた。
でも、不妊治療が必要だと理解したので、するなら一番効果的な治療を受けようと思った。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
子どもは自然にセックスで妊娠してできるもの、という考えがあります。
もちろん、それもひとつの子どもの生まれ方です。
そして、ほんの数十年まえには、それしか方法がありませんでした。
江戸時代なら歩くしかなかった移動手段が、今では車や電車が当たり前になったように、子供の作り方も、セックス以外に人工授精や体外受精は当たり前の時代になりつつあります。
愛がない?
とんでもない。
お二人のお子様を作るために、二人で協力して治療にあたるというのは、愛そのものでないかと思うのです。
実際、治療にこられるお二人をみるとほんとに仲が良い方が多いですし、困難に遭遇した時に、お互いの力で乗り越える必要があるので、よりきずなが深まるのではないかと思います。