医師の船曳美也子です。
薬指より人差し指がどの程度短いか、で男っぽい性格か女っぽいかわかる、っていう性格判断、ありますよね?
結論は『人差し指が短いほど男っぽい』のです。(男っぽいとは、心理学でmasculine scoreが高いことを指します。)
この話には男性ホルモンが関係しているのですが、都市伝説でなく、根拠になる科学的論文が多数あるという話を、東京で行われたシンポジウムで、泌尿器科では高名な名誉教授の熊本悦明先生がお話しされていました。
男性ホルモン減少による、いわゆる、男性更年期は、漫画家はらたいらさんが、自分の病気を告白されたことで一気に有名になりました。先生によると、女性更年期でも同じく男性ホルモンの減少が影響しているはず。だが、女性における男性ホルモンの動態については研究不足、とのことでした。たしかに、産婦人科の教科書に男性ホルモンの記載はほとんどでてきません。が、女性でも男性ホルモンは副腎や卵巣で産生されていますし、男性ホルモンは女性の体内にもいろいろ作用します。
例えば、男性ホルモンを投与すると発育卵胞数が増加します。
卵巣刺激しても発育する卵胞数が少ない人に対して、男性ホルモン投与で卵胞数が増えるという報告は海外から多数でています。
現在の日本では、男性ホルモンの直接投与は副作用や心理的抵抗もありあまり行われておらず、一般的にはDHEAが処方されます。
これは男性ホルモンの前駆物質で、投与により、卵巣内で男性ホルモンに変化するもので、日本ではサプリメントとして主に医療機関で販売されています。
また、胎児期にあびた男性ホルモン量により、生後の性格傾向が決まるという報告もあります。
女児において、幼稚園での活発度と、羊水中の男性ホルモン量が相関していた、という統計や、また、社会活動が活発な女性は、前出した人差し指の長さが短い、という統計報告もありました。
以前、ヨーロッパでは、恋人なら人差し指が短い人、妻には長い人をえらぶのがよい、といった論文が学会誌に真面目に掲載されたそうです。
今の日本は、女性管理職の増加が求められているようですが、企業は、人差し指の短い女性を選べばよい、なんていう論文が掲載されるかもしれませんね。