子宮内膜症と不妊…その3

子宮内膜症と不妊…その3

医師の船曳美也子です。

前回の続きです。では、子宮内膜症があれば不妊になるのでしょうか?

内膜症があるから100%不妊症になるわけではありません。
が、軽い内膜症であっても、妊娠しやすさは約5分の1におちてしまいます。

なぜそうなるのか?

一つには内膜症性癒着により卵管の動きが悪くなり排卵した卵子が卵管に入らないことが考えられます。

内膜症性癒着とは…内膜症があると、腹腔内で小さい出血が起こります。
その出血を体内に吸収するときにでる様々な物質が炎症をなおそうとし、その部位に瘢痕をつくってしまいます。すると、やわらかいサランラップのような膜が内膜症の部位の周辺にできます。

ただ、もっと軽い内膜症でもやはり妊娠しにくくなったり、癒着がなくてチョコレート嚢腫だけでも妊娠しにくいので、卵子そのものに何か影響しているのか、また、排卵した卵子が卵管に入る前に炎症性の物質に影響されるのか、など考えられていますがはっきりしたことはまだわかっていません。

では、子宮内膜症を治せば妊娠するのでしょうか?