医師の船曳美也子です。
東尾さんのインタビューの続きです。
また、ご主人に対して心がけていたのは、やって、して、という押し付けではなく、相手の気持ちを、おもんばかり、お伺いをする言い方をすることです、とのこと。
やってもらって当然という思いがあると強制的な言い方になってしまうと思うので、言い方に気をつけた、と。
相手をよく観察して、言ってもいい状態のときに伝えていたので、ご主人の気遣いもあったけれども、二人がもめたりすることはなかったそうです。
この話を読んで、このお二人は、たとえ妊娠しなくても、カップルとして長くうまくやっていくだろう、と確信しました。(不妊治療とは関係ない話ですが)お互い相手は、夫婦といえども他人。
「あ、うん」の呼吸になるには、長い時間がかかるものです。
そこで、うまく相手をその気に乗せる、誘導するためには、言い方に気をつけること、相手をよく観察して言うタイミングをみはからうこと、が大切とおっしゃっているわけですね。
うまくいっているカップルは、確かに女性(または男性、またはお互い)がそうしているなあ、と前から感じていたのですが、これは私も勉強になりました。
このお二人のように、不妊治療に対して温度差がない場合はいいわよ。
でも、夫が反対しているときはどうしたらいいの?とおっしゃるかたもいるでしょう。その場合4つの選択肢があります。
- 説得する。誘導する。
- できる範囲で行う。
- 女性主導で行う。
- あきらめる。
皆さんをみていると、1.か2.が多いと思います。
しかし、当然ながら、結果をだせる率が高いのは1.か3.の方です。
説得する、というと、強制的に聞こえるかもしれませんね。なので、誘導する、と加えました。
ご主人が自主的に参加していただく機会があるといいと思います。
なので、当院では、不妊治療をはじめたかたや、体外受精をうけるかたにカップルで参加していただけるように、第2土曜日に不妊セミナーをしています。
男性だけでこられるかたもいらっしゃいますし、お茶もでますので、ぜひまず聴きに来ていただけたらと思います。