衝撃的な見出し(1)

衝撃的な見出し(1)

医師の船曳美也子です。

当院では、国内外の不妊関係の学​会誌を購読していますが、今月号のアメリカ不妊学会誌にこんな衝撃的な見出しの記事がありました。

『生殖補助医療が“生体年齢時計”を巻き戻してくれるという根強い誤解』
コネチカット州の生殖倫理センターやイェール大学不妊センターがまとめたものですが、その論文を抜粋すると、

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とにかく、高齢の挙児希望の女性が増えている。その理由にはいくつかあるが、その一つに、不妊原因の一つに女性の年齢があることを知らない女性が多いことがある。
また、テレビや雑誌で、『50歳で妊娠』といったセンセーショナルな見出しを目にするため、自分も不妊治療をうければ、閉経する前ならいつでも妊娠できるという誤解を持つことである。

そして、高齢女性の妊娠出産をヘルプするのは、ドナーの卵子提供※や、体外受精で使用しなかった胚の提供※による妊娠であり、これらの成功率は高い。
が、卵子提供は母親と、胚提供は両親と、産まれてくる子供に遺伝的な共有がない。
(※はアメリカ国内での話です)

なので、今後の可能性としては、卵子凍結である。
女性が生殖年齢の若い間に卵子を凍結しておけば、仕事が忙しいや適切なパートナーがいない、などで生殖適齢期の間に妊娠するチャンスをもてなくても、自分の希望するときに妊娠できる。
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論文の抜粋は次回に続きます。