医師の船曳美也子です。
不妊治療で妊娠された東尾さんがクアトロテストをうけた、と報告されていました。
その件で、『女性セブン』という雑誌から、クアトロテストや羊水検査などの出生前診断について、先日取材をうけたのですが、たぶん簡単な記載しかのらないと思うので、ここで詳しく説明します。
1. クアトロ検査とはどういう検査か?
妊婦さんの血液の中にある、胎児や胎盤からでてくる四つの成分を測定して、胎児が、ダウン症候群、18トリソミー、開放性神経管奇形である確立を算出するスクリーニングテストです。
具体的にいいますと、妊婦さんから、少量の血液を採取し、血液中の4つの成分(AFP,hCG,uE3,Inhibin A)を測定します。
これらは、妊娠中に胎児または胎盤で作られる成分です。これらの成分の値は、妊娠が進むにつれて増減しますが、胎児が検査の対象疾患であることによっても増減します。
この4つの成分の値に、妊婦さんの年齢、週数、日本人の基準値などを加えて、胎児がそれぞれの疾患であるかどうかについて、妊婦さん一人ひとりの確率をだします。
妊婦さんの年齢が高くなるほど、ダウン症候群や18トリソミーの赤ちゃんが生まれる確立が高くなります。
クアトロテストは、母体年齢に固有の確率をもとに、妊婦さん一人ひとりの確率を計算しているため、年齢の高い妊婦さんほど、クアトロテストの検査結果の確率が高くなる傾向があります。
つまり、クアトロテストで何がわかるかというと、胎児が対象の対象の三つの疾患、つまり、ダウン症候群、18トリソミー、開放性神経管奇形にかかっている確率がわかります。
たとえば、確率が1/500とすると、同じ1/500の確率を得た妊婦さんが500人いたとすると、その中の一人が、対象疾患の赤ちゃんを妊娠している可能性がある、と解釈します。
今までの、約2万例の調査では、スクリーニング陽性の結果が約9%で、そのうち実際にダウン症候群の赤ちゃんを妊娠していたのは約2%だった、という報告があります。
【当院のクアトロテスト】
- 危険性:採血検査なので、特になし。
- 費用:(当院では)2.5万円
- 妊娠何週目まで:妊娠15週から17週頃まで
さらに詳しい情報は、当院のホームページをご覧下さい。