医師の船曳美也子です。
第57回アメリカ不妊学会で発表するために、10月17日から21日までフロリダに行ってきました。私の発表テーマは、「日本人において肥満が不妊に与える影響」です。
わたしの結果では、今までの他の統計と同様、BMIが25以上では、妊娠率が下がり、流産率があがる、というものでした。
この10年急速に肥満が広がり、国民の3分の1が肥満と過体重になっているアメリカでの学会。肥満と不妊の関係を論じる発表も多数見られました。
統計発表での問題は、前提条件が発表により異なるということです。
そのため、違う結果がでることもあり、私達もより正確な報告を今後も続けていくつもりです。
昼食時にはテーマ別に丸テーブルで食事しながらする討論会があり、わたしの選んだテーブル(テーマ「肥満と不妊治療について」)で問題になったのは、不妊治療する前に必ず肥満治療をする必要があるかどうか、ということでした。
肥満が妊娠、出産にあたえるリスクは大きいので妊娠する前に肥満を改善すべきだというのは、欧米ではコンセンサスになっていますが、カナダでは、州により、BMIが30や35以上でIVFをうけられないのだそうです。
でも、体重を減らすのには時間がかかるし、難しい、どうすればいいのか、と困惑されていました。
また、アメリカでも医師により、BMIがどれくらいで不妊治療を拒否するか統一されていないので、ガイドラインを作るべきだ、という意見もでていました。
オーク式ダイエットによる排卵改善の資料は興味をもってくださったようで、おいていたリーフレットも1日で全部なくなってしまいました。
今回は基礎研究の発表は少なかったですが、今後はそちらも進めていこうと思います。
ということで、一日中学会会場にいましたが活発な討論に参加でき充実した3日間でした。
ところでフロリダ。温暖で湿度が高く、日本の初夏のような気候で会場外はすごしやすかったです。
でも、とにかく広くて、広くて。どこに行くにも車が必要。
歩くにも夜は道に電灯がないのです。
で、ホテルには小さくてもジムがあってみんな汗を流しています。
外は車で移動し、室内で運動。映画でよく見かける光景と同じでした。
日本は狭いけど、歩ける環境が整っているので幸せかもしれません。
ミシェルオバマが推進するLet’s move運動でもビヨンセが協力したダンスビデオはありましたが、みんなで歩こう、といった運動はなかったなあ、まず環境が無理なんだ、と納得した次第です。