こんにちは、胚培養士の林です。
不妊治療と聞くと、女性側の不妊原因について注目される方が沢山いらっしゃるかと思いますが、今日は男性不妊とその対応についてお話したいと思います。
男性不妊の主な原因として、
・造精機能障害
・精路の通過障害
・射精障害
が挙げられます。
造精機能障害とは、精子をつくることが困難な状態をいいます。
精液中に精子が存在しない無精子症や、精液中の精子の数は正常であるけれども、運動精子の数が少ない精子無力症など種類があります。原因としては、抗癌剤などの薬物使用によるものや、先天性によるものもあります。
これらの不妊治療の対策としては、無精子症の場合、精巣や精巣上体に精子が存在していれば、顕微受精によりご妊娠する可能があります。精子無力症の場合、精子の状態によって人工授精や顕微受精などの不妊治療を行います。
次に精路の通過障害とは、先天性のものや感染症などにより、精子が通過する精管が塞がってしまうことをいいます。
これらの場合、手術による治療法があります。
射精障害には、精液が尿道に送られずに膀胱に逆行する逆行性射精や勃起不全
などがあります。逆行性射精の場合、膀胱により精子を回収し、精子の状態に
よって体外受精や顕微受精などの不妊治療を行います。
近年の男性不妊に対する生殖補助医療は進歩しており、以前はドナー精子の対象となっていたような症例でも、ご自身の精子で妊娠が可能となっています。
「男性不妊かも?」と不安に思っている方がおられましたら、早めに泌尿器科や男性不妊外来 http://www.oakclinic-group.com/male_sterility/ を受診されることをお勧めいたします。