こんにちは、培養士の高野です。
9月15、16日に軽井沢で開催された、第34回日本受精着床学会学術講演会に行ってきました。
当院からは、『新しいICSI法の受精率への影響及び破膜後の卵細胞質膜の回復が受精に及ぼす影響~前向きコホート研究~』という演題で発表してまいりました。
私の発表もそうだったのですが、今回は顕微授精(ICSI)の新しい方法や、不妊治療においていかに質の良い精子を集めるか等の発表が多くみられました。
これまでは卵子や胚に関するテーマがメインであったように感じていたのですが、ICSI、凍結、融解のような技術面や精子側から新しいアプローチが増えているところを見ると、卵子や胚についての様々なメカニズムはある程度の所までわかってきているかな、と感じました。
もちろん、卵子や胚に関してもまだまだ開拓の余地はあると思いますが、技術面や精子にも目を向けトータル的に不妊治療を向上させていければと思います。
また、胚の凍結、融解と一言で言ってもそのやり方は施設によって様々であります。当院ではクライオトップを用いた超急速ガラス化法という方法で凍結をしているのですが、他の施設ではクライオトップではなくチューブやチップ等のデバイスを用いていたり、緩慢凍結法で凍結していたりとその組み合わせは無限大です。
学会に行った際には、演題の方法の所に出てくる、凍結、融解の方法をチェックしたりしています。なぜなら、当院と異なる凍結方法で凍結された卵子や胚を当院に移管して治療したいとおっしゃって下さる患者様のニーズにお応えしたい為です。
『申し訳ございません、当院のやり方と違うので移管できません』と言うのは簡単ですが、そんな事は言いたくないので、日頃ルーチンで行っている手技以外の事もマスターしておきたいと考えています。
HP等で既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、10月1日より東京・銀座にオーク銀座レディースクリニックが開院いたします。ラボスタッフ一同、住吉と同様に万全な準備をして、銀座でもお待ちしております。