はじめまして。この夏からオーク住吉産婦人科の検査部に勤務することになった鈴木と申します。
求人に応募して、何だかあれよあれよという間に勤務することが決まり、自分でも驚きました。
スピード感
求人の案内を見て応募したところ直ぐに面接の機会を頂け、その次の日にはもう内定の連絡をもらえました。
このような求人面接の結果は、忘れた頃とは言わないまでも1週間以上かかるのが普通のことだと思いました。
そのため電話を頂いた時には、この電話誰?と思って折り返し電話したことを今でも覚えています。
驚きのスピード感です。
当院で働いている他の職員の方の場合はどうだったのでしょう?
この記事を書くまで他の人の場合はどうだったか気にしていませんでしたが、今度聞いてみようと思います。
人事とは別のところでも普通の企業であれば時間がかかりそうな手続きを短縮して大きな決定をする場面を目にしているので、時間を無駄にせず善は急げという文化が当院にはあるのかと思っています。
たぶんこれは、不妊治療は一月でも早いほうが一般的に良いとのことなので、直接ではないかもしれませんが当院の患者様のメリットにもつながっているのではないでしょうか。
私の担当は?
検査部には、多分このブログを読んでいる方は既にご存知かと思いますが、超音波診断の担当や不妊治療の重要な部分を担う胚培養士が所属しています。
私の担当は、そのどれでもありません。
なかなか自分でも説明が難しいのですが、私の経歴が担当の参考になるかと思います。
私が大学生だった頃は、ゲノムプロジェクトの「ゲ」も無かった頃なので、病気の原因となる遺伝子はまだ数えるほどしか見つかっていませんでした。
その時実験動物での話ですが、遺伝学を使って遺伝子に異常がある個体(遺伝病の個体)から出発して、その遺伝病に関連する別の遺伝子を見つけるという講演を聞きました。
これがきっかけとなり国立遺伝学研究所で博士の学位を取得し、その後は博士研究員(ポスドク)として名古屋大学と理化学研究所で遺伝学とバイオテクノロジーの手法を使って生物が形作られる仕組みの研究をしていました。
全くの基礎研究でしたので、全然不妊治療との接点がないように見えますね。
確かに現時点では接点がありません。でも、将来も接点がないのでしょうか?
医学の進歩と同じように不妊治療の技術も同じように日々進歩しており、現在はまだ研究段階の技術があります。これらは有用で安全だと認められれば、現在の不妊治療の技術と同じように一般的になるはずです。
例えば現在はまだ認可されていない次世代シーケンサー(NGS)を使った着床前スクリーニング(PGS)が将来開始されたとすると、その技術は現在の不妊治療の技術とは全く別のものです。どちらかと言うと生物や医学の基礎研究で現在使われている技術に近いものです。
そのため解禁になった時から導入しようと準備をしていたら、解禁になったのに準備が整わず治療を受けたくても受けられない患者様がでてしまう可能性があります。
そうならないように常に一歩先を見て最新の治療を患者様に受けてもらえるように、PGSに限らずその準備をしておくのが私の担当です。
誰かの夢をかなえる手助け
最後になりますが当院の船曳先生が、私達の仕事は「誰かの夢をかなえる手助けをできる仕事」だという話を新人研修で話されていました。
これまでの基礎研究では研究の紹介をする時には「この研究は将来病気の治療に役立ちます」という文を大抵入れていましたが、この話を聞いて(私は録画でしたが)実際に誰かの手助けができる仕事なのだという認識を新たにしました。
まだ直接的には患者様の手助けにはなれませんが、将来私も夢をかなえる手助けができればと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。