IMSIは反復着床不全に有効か?

IMSIは反復着床不全に有効か?

医局カンファレンスです。

精子を高倍率(6,000倍)に拡大して顕微鏡で観察して、空胞のない、形のよいものを選んで顕微授精をおこなうことで、体外受精の成績が向上するのではないかと期待され、ICSIを応用したIMSI(intracytoplasmic morphologically selected sperm injection)という方法が開発されました。

IMSIにより流産率を減少することが出来たという報告もありますが、一律全員に行っても有効性は少ないという前向き研究が相次いでいます。
今回のフランスからの発表によると、奇形精子症に対してIMSIは有用だが、反復着床不全には無効という結果でした (El Khattabi et al., Fertil Steril. 2013;100:62-8.)。

軽度・中等度の男性因子があり、ICSI-胚移植で2回不成功を繰り返した不妊カップルに対して、次回ICSIまたはIMSIのどちらかを行い生産率を比べましたが、差はありませんでした。

形の良好な胚盤胞でも約半数は、染色体異常を持つことがよく知られています。
精子についても形態だけで選ぶことには限界があるようです。